『ホーソーンの軌跡――生誕200年記念論集』

(開文社/2005年/A5判上製/392pp)

 ホーソーン生誕200年を記念した日本ホーソーン協会の「伝記的側面に光を当てた論集」。ホーソーンは『緋文字』の序文「税関」の最後で自分のことをひょっとして曾孫の代にでも思い出してくれたらそれは何と言う甘美な思いだろうかと述べているが、生誕200年後に日本からもこういう記念論集が捧げられることを知ったら、ホーソーンは何と言うだろうか。

(開文社カタログより)

  

【目 次】

第1章 ホーソーンの先祖をめぐって
 
 川窪 啓資
第2章 出生から大学卒業まで
  ――手紙にたどる若き日のホーソーン
 西前 孝
第3章 ホーソーンと児童文学
  ――古典神話再議の分析とその時代性
 村田 希巳子
第4章 錬金術師と科学者の狭間で
  ――マギの末裔、エイルマー
 松尾 祐美子
第5章 ホーソーンと心霊主義
  ――『プライズデイル・ロマンス』をめぐって
 成田 雅彦
第6章 家庭崩壊の美学
  ――ホーソーンと宗教共同体的家庭改革
 高尾 直知
第7章 ホーソーンとE・A・ポーの関係
  ――接近と離反
 松山 信直
第8章 ホーソーンとソローとオルゴール
 
 矢作 三蔵
第9章 イギリスの名士たちの騒動
  ――ホーソーンの妻と息子の功罪
 當麻 一太郎
第10章 ホーソーン文学の特徴
 
 萩原 力
第11章 揺れる三人の女性への愛憎
  ――1858年前後のホーソーン
 大杉 博昭
第12章

ホーソーンとイタリア
  ――『フレンチ・アンド・イタリアン・ノートブックス』を中心に

 倉橋 洋子
第13章 ホーソーンとストウ夫人
  ――奴隷制度と南北戦争をめぐって
 阿野 文朗
第14章

"Chiefly about War Matters. By a Peaceable Man"
  ――ホーソーンの後半生におけるその伝記的意義について

 山本 雅
第15章 ホーソーンの子供たち
  ――偉大なる父の影
 城戸 光世
第16章 年譜
 
 藤村 希

 


 

『緋文字の断層』

(開文社/2001年/4・6判上製/266pp)

  

【目 次】

天国の噂  青山 義孝
彷徨うヘスター  入子 文子
女性らしさの歴史化  荒木 純子
『緋文字』と「父親」の誕生  成田 雅彦
「汝を創りしは誰ぞ」  高尾 直知
謎解き『緋文字』  島田 太郎
20世紀のディムズデイル、ヘスター、パール  柴田 元幸
『緋文字』の映像性  西谷 拓哉
日本における『緋文字』の受容  阿野 文朗